がりがりがりーのわくわくワンダーランド

記憶に定着させたいこと、Twitterだと書き切れないこと等を残します。


カードゲームをプレイするということ

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遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下OCGと表記)とは、約20年に渡って親しまれてきた大手カードゲームです。


20〜30代男子にとって、遊戯王を耳にせず生きてこれた人間は至って少ないはず。


原作である漫画、ご長寿なアニメ(現在6作目)、ゲームなど様々な媒体から人々はOCGに参入してきました。
 

 

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遊戯王とぼく

僕は専ら初代アニメから入った人間です。
今考えても極めて個性的で魅力のあるキャラクターに惹かれ、
当時少年の僕は親にパックや構築済みデッキを買ってもらいながら友達とワイワイ場所を選ばずデュエル、デュエル、デュエルと騒いでました。

少年時代よく遊んでいた公園では、
クッソ狭い砂だらけのベンチで剥き出しのカードを雑に並べ、盲目的に決闘(デュエル)を楽しむ日々。
これは単にOCGを素晴らしいテーブルゲームとして嗜むといった高尚な意味合いなどでは決してなく、社会現象とも呼べる大ブームに流され、
アニメのキャラクターごっこにのめり込むことに意義を感じていたのかもしれません。

そんな大ブームの中、一部の男子は中高生ともなるとカードゲーム=幼稚なイメージに羞恥を覚え、心の中で卒業式を迎えます。
それは僕にとっても例外ではありませんでした。
 
長い時を経て、思春期を乗り越え大学生となった僕はひょんなきっかけ(初代アニメの新作映画が面白すぎた)からOCGに復帰しました。
これらの道のりを通過してきた人々は俗に復帰勢と呼ばれます。

僕は復帰してからというものの謎に異常なモチベーションを発揮し、
OCG離れしてから復帰までの10数年の歴史を振り返り、
様々なルール変更・追加要素に頭を抱えながらもわりと献身的に現代遊戯王(アニメ含む)に適応していきました。

現在はゆるゆるとエンジョイしておりますが、共にデュエルをしてくれる相手なしではモチベーションもクソもないので、
付き合ってくれている友達にはほんとに感謝。
 

カードゲームってどんなゲーム?

OCGのようなアナログカードゲームは昨今流行りのデジタルカードゲームとは違い
対戦相手と顔を突き合わせ、言葉を交わしながら進める一種のコミュニケーションゲームです。

これは対戦中のやり取りやマナーについてだけではなく、
デッキ構築という下準備の段階からすでに意識されるべき問題となります。
ましてや僕のように、対戦相手が固定された数少ない友達ともなると
コミュニケーションの重要性がより顕著となります。
 
例えば、
仮に僕がどんな手段を使っても勝ちたいという自分本位な感情に身を任せたまま
OCGにおける現在最強のデッキ(環境トップデッキと呼ばれるもの)を組み、友人と対戦を始めます。
しかし友人は勝つことよりも第一に楽しみたいという信条のもと
大好きなアニメキャラが使用していた比較的かなり弱めのデッキ(ファンデッキと呼ばれるもの)ばかりを使用します。
...ともなれば当然僕が勝ち続けることになるでしょう。


もちろんファンデッキであっても環境トップデッキに一矢報いることはあります。
けど10戦もすれば結果は明白。
いくら友人は好きだからという理由で弱いデッキを組んでいるとはいえ
マンツーマンの対戦型カードゲームである以上、
いかなる理由であれまるで勝てない状況が続くと当人の幸福指数は低下します。
逆に、手段を選ばず相手の気持ちを度外視してまで勝ちに執着している僕の幸福指数は自動的にグングン上がります。
 
こういったデッキパワーの格差による軋轢についてはしゃぶり尽くされるほど様々な場所で議論されているはずなのに、未だ丸く収まりづらい問題です。
 
人様のプレイスタイルにケチをつけるな
 
弱いデッキを組んで負けるのは当然の結果なのにやる気を失くすな
 
勝つことを念頭に置かない対戦型ゲームに意義はない
 
こうした一見ワガママボーイな意見にも無視できないほどの正当性があります。
これはカードゲームにおいて、勝つというエクスタシーを大きな醍醐味とする価値観から生み出される主義主張であるため、何も間違ってはいません。

全国で開かれているカードゲーム大会ではこの価値観を極めた者ほど結果を残すといっても過言ではありません。
賞品が出る大会へ参加する以上、その上位層が環境トップデッキで埋め尽くされるのは至極当然です。
(稀にファンデッキが入賞することもあるんだけど、これが非常にアツい!)

しかしこのワガママボーイを、仲間内でファンデッキを回しながらワイワイやっている空間に放り込むと一体どうなるのか。
 

 


 ………
 

 


おそらく次の次あたりには呼ばれなくなります。

 

弱いデッキを使いたい!でも負け続けるのはイヤ!
vs
勝ちたい!だから最強デッキを使う!


といった確執のぶつけ合いほど見苦しいものはないです。

ファンデッキと環境デッキどっちも作って使い分ければよくない?
なんてツッコまれそうですが、これは根本的な価値観を巡る問題であって
それでは解決の糸口に程遠いんです。
 
 

カードゲームは空気の読み合い

ここまでタラタラとプレイヤー間の衝突について解説してきましたが、
つまるところどうすれば円満に解決するのか。

ひとつはプレイヤー層の住み分けをきっちりすること。
つまり価値観の合わないプレイヤーを輪に混ぜないことです。
しかしこれは友人間で問題が発生した場合、かなり手間のかかる面倒事となるでしょう。

そこで、最も穏便に済ませる最強の立ち振る舞いは両者の譲歩です。
結局このゲームはコミュニケーションを媒介として成り立つコンテンツなのだから
せめて仲間内では相手のプレイスタイルを考慮すること。
それがお互いにとって受け入れ難いものであったとしても我慢をすること。

このデッキは強すぎるからもうちょっとカジュアル寄りに構築を変えよう、
このデッキにはこのカードを採用すればもう少し善戦できるようになるかも、みたいな。


空気の読み合いなんてのはカードゲームでなくとも、
友達と趣味をシェアするということ全般において然るべき心構えだと思います。
そして、ゲームをより楽しむという点では、マンツーマンの対戦型ゲームの中でも
アナログカードゲームは特にコミュニケーション能力が必要とされます。

極端なことを言うと、空気が読めず内に籠っているタイプの人間にはとてもじゃないけど楽しめるコンテンツではありません。
 
そうした中で、カードゲームのことは何も知らないけど少しでも興味を持ってくれた人にこそ上記の問題を把握してほしい、というのが僕の主張です。

カードゲームを始めようと意気込む際に、コミュニケーションを前提に置いているかそうでないかとでは大きくプレイヤーとしての質に優劣が生じてしまうように感じます。
難しいことを考えず手放しで楽しむことは重要だけど、
わんぱくすぎて気付かないうちに地雷原に足を踏み入れてほしくはない…
 
 

みんな離れていかないで!

こうして記事を読み返すと、なんか面倒臭そうだからカードゲームには触らんとこって思われてそう…
でも単純に空気が読めて話し合いもできる普通の大人なら難なく素通りできるレベルの問題だと思います。

残念ながらOCGは下手に人口が多い分
自分勝手で排他的なユーザーも目に付くんです。悲しい。

反省して次回からは超初心者向けに遊戯王のルール解説でも始めようかな。

ここまで読んでくれてありがとうございました!